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2001年11月16日配信 とある日(新人編)その4
------------前回からのつづき------------
約束していたのに帰った!? なんで??
私達が集荷漏れをしたら凄い剣幕で責任を追及するくせに!!
案外、急ぎでない発送商品の扱いはこんなモノかもしれない。
幸いD社の伝票も貼ってないし、仕方ないか。
集荷するチャンスが明日に伸びただけだ。
そう思い直し、喉元まで出かかった言葉を飲み込みました。
18:00頃が最初の集荷のピークです。
これ以降の時間はまさに佐川急便の為にあると言っても過言でありません。
当時は日通などの大手運送業者は18:00以降の集荷は行っていません。
ヤマト運輸は19:00まで集荷を受け付けていましたが、まだ商業便(*1)に本格的に乗り出してきたばかりなのか、お客様との信用関係は確立できていないようでした。
私のコースにも多くの運送屋がいましたが、1番印象に残っているのは日通のDRさん。
ある日の夕刻、私も取引をさせて頂いていたS商事での事です。
出荷担当Aさん:悪いね日通さん。6時過ぎにもう一度来てくれないかなぁ?まだ営業から商品がおりてこないんだよ。
日通の担当DR: 何言っているの?俺は秋葉(*2)から来てるんだよ。あそこは早く帰らなきゃ、渋滞してどうしょうもなくなっちゃうんだ。ダメ、ダメ、もう明日にしなよ。どうせ今日集荷しても明日は届かないんだからさ。
出荷担当Aさん:そんなこと言わないでさ、営業も今日出しておけば安心するんだから。また来てよ、お願い!!
日通の担当DR: しょうがねぇな。じゃ、6時ピッタシには帰るから。ちゃんと(荷物を)作っておいてよ。いい?6時ピッタシだからね!!
こんなやり取りを何回か目の前にしました。
佐川急便に入社して早2ヶ月。
毎日会社で顧客第一主義!!
とキツク言われていた私には信じられない光景でした。
私はこのような光景を目にするたび担当のAさんに、佐川だったら何回でも指定時間に喜んで集荷にお伺いします!
とアピールしましたが、運賃格差がある過ぎるとの事でどうしても出荷していただけませんでした。
日通のDRさんが皆同じとは思いません。
それにしても、定年近くの先輩に向かってあの態度はチョット・・・疑問。
この日の経験は今でも反面教師として心がけています。
運賃、つまり会社の利益の為の為には社員は自我さえ捨てなければいけない。
私は貴重な体験の場をありがたく思うのと同時にAさんの態度に感動しました。
結局、半年かかりましたが、S商事様との取引上の運賃変更はしないまま、日通から全て佐川に切り換えていただきました。
佐川急便に追い風が吹いている。
このとき、なぜ佐川急便が勢力を伸ばし続けられるのか、佐川急便の成長の一旦を垣間見たような気がしました。
コースでの最終集荷は19時頃には終わるように約束していますが、あくまでそれは建前の話。
定期的に伺う最終集荷が終わった後に出来上がった荷物は、お客様が電話で集荷を依頼することいくらでも集荷を受け付けていました。
電話集荷は18:00から入りっぱなしになるので、定期集荷を集荷しながら電話集荷のお客様も同時に集荷します。
唯一の救いは電話集荷の締切時間は20:00、この時間には何があっても必ず受付終了することでした。
トラックには無線で本部の指示を受信するプリンター(小型FAXのようなもの)が設置してあります。
プリンター用紙には集荷受付時間、住所、会社名、担当者、短いコメントなどが印字され、電話集荷を受け付けた以上、必ず集荷に伺う事ができます。
しかし、何時に伺えるかは別問題。
どこか1件でも集荷に余計な時間をかけてしまったら、お客様に伺える時間は全く検討がつかなくなってしまいます。
しかし、そんな事情はお客様には関係ありません。
「電話したのになぜ集荷にこない?」
「もう電話してから30分以上も待っている」
「いったい何時になったら集荷にくるつもりなんだ?」
お客様からのご指摘は日常茶飯事でした。
DRの手元にプリンターから印字された文字には、「大至急」とお客様の気持ちが書いてあるような気がします。
佐川は顧客第一主義、お客様との約束は何があっても守ります。
当時は全DRが走り回っていました。
しかし、当時の私にはそんな事を理解できる余裕はありません。
ああっっ、プリンターがあふれ返っているぞ!
またT機構だ。
ちっきしょう!つい10分前に集荷したのに!!
あそこは各個人がバラバラに好き勝手に電話してくるのに、頃合を見て集荷しに行くと集荷時間が遅いと怒られるから厳しいよな。
何回交渉しても私じゃまだまったく相手にしてもらえない。
・・・とにかく走るか
あっ、また入ってる・・・
・・・よし、ここで最後だ。,br>って、荷物が通路にあふれかえっているよ。
もう少し早く荷造りしてくれればお互いに助かるのに・・・
「!ただいま!!」
ようやく帰社できたけど、21:00過ぎちゃった。
今日は荷下ろし場が空いているからスグに降ろせそうだ。
でも、車庫にトラックを戻して、点呼を受けたら22:00までに終わるかな?
遅い時間に報告に行くと係長のご機嫌は最悪だから、・・・また走るか・・・
走りまわって、やっと帰社点呼を受け、係長を探したのですが見当たりません。
あっ、あの係長に聞いてみよう。
「T? しらねぇな。あぁ? しらねぇよ! ひつけえな、この野郎!!俺は忙しいんだよ、勝手に探せよ!東京店の何処かにいるだろ!!」
う〜ん、厳しいお言葉。
引き続き東京店内を隈なく探しましたが、やはり何処にもその姿は見当たりません。
諦めて帰ろうかとも思いました。
しかし、今朝の朝礼の勢いでは絶対に黙って帰る訳にはいきません。
それに他社伝は目標を達成できなかったけれど、Top、P便は達成したのです。
あ〜っ、何処に行っちゃったんだろう??
携帯電話は1人平均2個持っている、まだまだそんな時代は先の方です。
その時、夜勤の責任者から声をかけられました。
この時すでに23:00を過ぎていました。
「おい!DRがこんな時間まで何やってるんだ?」
「ああ? T係長? 用事があるとかで19:00には帰ったよ。報告なんか、明日しろ。お前、明日も早いんだろう?」
この時間までがんばって探したのだから帰るか。
今から帰っても0:00を過ぎちゃうし・・・
でも、T係長は本当にそんな時間に帰ったのかなぁ???
T係長はいったいどうしたのか? 詳しく教えてくれたのは先輩の発言でした。
「昨日?ああ、テニスの試合があるとかで早退したみたいだな。それを聞いて、俺なんか即効で帰ったもんな。なにぃ? 23:00まで係長を探して、夜勤の責任者に怒られた? まあ、お前も早く佐川急便に慣れるんだな」
*1 商業便
運送業界は会社関係の集配を専門とした「商業便」、個人宅を専門に集配する「宅配便」と得意とする分野が別れていました。
佐川急便は商業便として開業したので、現在でもそ割合は90:10で商業便の方が多数を占めています。
反対にヤマト運輸は宅配便を開業としていましたので20:80と商業便の割合は佐川と反対になります。
ちなみに「宅急便」はヤマト運輸の登録商品名です。
*2 秋葉
東京の地名。
日本一の電気街、「秋葉原」の略。
当時、この近くに日通の配送センターがあり、どうやらDRさんはここから来ていたようです。
*この内容はフィクションではありませんが、あくまで私の体験談です。現在の状況についてはお近くの佐川急便へお問い合わせください***